平成22年10月4日
気候変動適応戦略イニシアチブ 気候変動適応研究推進プログラム SALSA第1回会合
大気環境物質のためのシームレス同化システム構築とその応用
Development of Seamless Chemical AssimiLation System and its Application for Atmospheric Environmental Materials (Project SALSA)

大気汚染物質・ダストの同化と逆問題システムの構築(第2班)
植松光夫、Nick Schutgens、五藤大輔、鶴田治雄(東大)、鵜野伊津志、竹村俊彦(九大)、須藤健悟(名古屋大)、
大原利眞(NIES)、Tie DAI(中国科学院大気物理研究所)

Japanese/English

目次


  1. 大気汚染物質・ダストの同化と逆問題システムの構築
  2. 第2班の研究スキーム
  3. 対象とするガスとエアロゾル、気温
  4. 各種観測データベースの収集・整備
  5. NICAM-Chemモデルの開発
  6. CFORS/CMAQによるNICAM-Chemの検証
  7. 排出インベントリの整備と高精度化
  8. NICAMによるエアロゾル同化システムの開発
  9. 各種シナリオ実験
  10. 短寿命ガス、エアロゾルによる関東地方への影響評価
  11. 第3班へのデータ提供
  12. 各種データベースの公開

1.大気汚染物質・ダストの同化と逆問題システムの構築


  • 短寿命ガス及びエアロゾルの同化と逆問題システムを構築する。 すでに実用化している全球非静力正20面体大気モデル(NICAM)に、国立大学 法人東京大学・独立行政法人国立環境研究所・独立行政法人海洋研究開発 機構が共同で開発中であるエアロゾル全球放射輸送モデル(SPRINTARS) と 全球大気化学モデル(CHASER) を結合させて新しい化学輸送モデル“ NICAM-Chem”の開発を行う。
  • このモデルを用いて大気汚染物質と土壌粒子などのデータ同化および発生源 推定(逆問題)システムを構築する。観測データとして、人工衛星からの エアロゾル光学的厚さやオゾン量、自治体による大気環境常時監視網などの 地上観測データを利用する。また、領域化学天気予報システム(CFORS/CMAQ) による時間・空間を考慮した4次元同化モデルを用い、NICAM-Chemの検証を 行うと同時に高度化も行う。
  • これらの結果を活用し、様々な条件下での硫黄酸化物、窒素酸化物、オゾン の前駆物質、各種エアロゾル量を関東平野において同化し、これらの関東 地域での発生量と越境汚染量分布の推定手法を開発する。また、モデルの 改善も行う。このようにして確立されたモデルを用いてシナリオ実験を行い、 オゾンなどの短寿命ガス、エアロゾル、土壌粒子などによる都市への影響を 評価する。その結果を第3班および自治体に提供するとともに、各種のデータ ベースを公開する。

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2.第2班の研究スキーム 




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3.対象とするガスとエアロゾル、気温 




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4.各種観測データベースの収集・整備


    各種観測データベースの収集・整備:(AORI、第3班と共同)

    観測データ(人工衛星からのエアロゾル光学的厚さなど、EANETの東アジアのデータや、各自治体による大気環境常時監視網データ(地上のオゾンやPM10などの)を整備し、構築したデータベースを、NICAM-Chemモデルの開発 :(名大・九大・AORI)で利用する。


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5.NICAM-Chemモデルの開発


    NICAM-Chemモデルの開発 :(名大・九大・AORI)

    すでに実用化しているNICAMに、東京大学・国立環境研究所・海洋研究開発機構が共同開発したエアロゾル全球放射輸送モデル(SPRINTARS) と、全球大気化学モデル(CHASER) を結合させて、新しい化学輸送モデル“NICAM-Chem”の開発を行う。


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6.CFORS/CMAQによるNICAM-Chemの検証


    CFORS/CMAQによるNICAM-Chemの検証:(九大・国環研?・AORI)

    領域化学天気予報システム(CFORS/CMAQ)によるガス・エアロゾルの時間・空間を考慮した 計算結果を用い、NICAM-Chemの検証を行う。


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7.排出インベントリの整備と高精度化


    排出インベントリの整備と高精度化:(国環研・AORI)

    大気環境中の短寿命ガス・エアロゾルのエミッション・インベントリの整備と、2との連携に よるその高精度化を行う。


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8.NICAMによるエアロゾル同化システムの開発


    NICAMによるエアロゾル同化システムの開発:(九州大学・AORI)

    NICAM-Chemを用いて大気汚染物質と土壌粒子などのデータ同化および発生源推定 (逆問題)システムを構築する。


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9.各種シナリオ実験


    各種シナリオ実験:(AORI・国環研・九大、第3班と共同)

    これらの結果を活用し、第3班で検討される対策・適応策に対応して、様々な条件下での 気温、硫黄酸化物、窒素酸化物、オゾンの前駆物質、各種エアロゾル量を関東地域において 同化し、これらの関東地域での気温分布や発生量分布の推定手法を開発する。


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10.短寿命ガス、エアロゾルによる関東地方への影響評価


    短寿命ガス、エアロゾルによる関東地方への影響評価:(AORI)

    このようにして確立されたモデルを用いてシナリオ実験を行い、 オゾンなどの短寿命ガス、エアロゾル、気温による都市への影響を評価する。


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11.第3班へのデータ提供


    影響評価結果を第3班および自治体に提供する。



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12.各種データベースの公開


    大気環境データベースや同化システムによる影響評価結果などを、一般に公開する。



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