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- 第1班と第2班のモデル結果を利用し、地方自治体の担当部署と連携して、温暖化や大気汚染の深刻化に伴う影響評価と、それに対する適応策につなげる実施モデルを構築する。
- 観測から求められる関東地域の気温分布、大気汚染物質の濃度分布を用いて疫学調査を行い、因果関係を把握して、健康影響を定量的に示すための研究開発を実施する。その上で、データ同化技術を用いて作成される関東地域の気温分布、大気汚染物質の濃度分布と健康影響の結果を用いて、関東域における健康被害予測図を作成する。同様に、関東地域での気温分布と土地利用情報との因果関係を把握し、定量的に表す。その結果を自治体関係者に対して、気温や大気汚染物質に関する対策(適応策)の検討に役立つ情報として提供する。
- この取組においては、東京都、埼玉県などとの連携体制を確立するため、自治体の機関に所属する研究者も参加する定期的協議会を実施し、この協議会での検討を通じて、各自治体が必要としているニーズ・情報を収集しモデル開発に反映させる。
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大気環境の健康影響には地域差が存在することが示唆されている。第1班、第2班による同化システムの結果を活用し、高分解能の関東地域における気温の分布、大気汚染物質の濃度分布を作成し、都市域に特徴的なヒトのモビリティー(移動)を考慮した曝露量と健康影響指標の関連を、疫学的手法を用いて明らかにする。すなわち、大気環境の急性影響を評価するために必要な大気環境データ、健康影響データ(死亡、疾患発症等)の収集、およびそれらのデータを結合したデータベースを構築する。これらデータベースを基に、統合的な健康インパクトファクター(Health Impact Factor、HIF)の構築を目指す。ここでいうHIFとは気温、オゾンや粒子状物質濃度、それらの曝露時間などを因子とした、曝露量−健康影響関数を考えている。
同化システムの結果のモデルケースにおける気象条件、日射量、大気環境物質量を用いてこのHIFの分布を求め、健康ハザードマップ(Health Hazard Map、HHM)を作成する。
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- インパクトファクターの計算
- ハザードマップの作成
- 適応策の検討
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気象(気温、湿度)および大気汚染物質(オゾン等)の急性影響を調査
地域、脆弱集団を考慮した疾患(死亡)の超過リスクを関数であらわす 超過リスク= f(温度, 湿度, PM2.5, Ox, NO2...)
疾患(死亡)の超過リスク(excess risk for death (disease))とは、 環境曝露によりどの程度集団のリスクが変化するかの指標です。
適応策の作成を考慮し、影響を受けやすい集団(たとえば、高齢者、小児、基礎疾患のある者)を同定して、その集団に対する施策を集中させるために、集団を層別化し、それぞれについての健康影響関数を作成することを考えています。
健康影響関数を作成するためには、過去の研究結果を用いる方法と、疫学調査を実施して、その結果を用いる方法があります。健康影響班では救急搬送データと環境データを用いて、「気温や大気汚染が救急搬送数に及ぼす影響」調査を行います。
「気温や大気汚染が救急搬送数に及ぼす影響」調査についての詳しい説明
環境省 地球環境研究総合推進費 戦略的研究開発プロジェクト 「S−4 温暖化の危険な水準及び温室効果ガス安定化レベル検討のための 温暖化影響の総合的評価に関する研究」より
- 大気汚染リスク
温暖化による気象変化で、Ox 濃度の上昇とこれにともなう死亡の増加が見込まれる。ただし、増大するOx の越境汚染より影響は小さい。
環境省 地球環境研究総合推進費 戦略的研究開発プロジェクト 「S−4 温暖化の危険な水準及び温室効果ガス安定化レベル検討のための 温暖化影響の総合的評価に関する研究」より
- 大気汚染リスク
温暖化による気象変化で、Ox 濃度の上昇とこれにともなう死亡の増加が見込まれる。ただし、増大するOx の越境汚染より影響は小さい。
環境省 地球環境研究総合推進費 戦略的研究開発プロジェクト 「S−4 温暖化の危険な水準及び温室効果ガス安定化レベル検討のための 温暖化影響の総合的評価に関する研究」より
観測あるいはモデル計算から得られる関東域の気温分布に基づき、効果的な都市の緑化を検討
図7.様々な気象条件での同化解析結果と、影響モデルを利用してメガシティー域における適応策を構築する。
都市周辺でのグリーンベルトと多数の小さな緑化地区の配置を検討
モデルの再計算による効果検証
ある地域を例として、都市緑化による適応策を検討。
ビル屋上の緑化などきめ細かい適応策を検討する。
40cm程度の解像度でのシミュレーションにより、土地や建物の緑化を通して効果的な適応策を検討する。